2023/11/2 JDDW2023 サテライトシンポジウム

潰瘍性大腸炎におけるジセレカの投与方法を久留米大学の竹田津先生が講演してくれました

 

外来で治療中の潰瘍性大腸炎 クローン病患者さんが再燃した次の治療に進む時 経口薬皮下注薬 注射薬の中では 当然ながら経口薬の受け入れが最も良いです。主治医とよく話しあうと 皮下注薬 注射薬の受け入れがよくなります。

外来の潰瘍性大腸炎が重症になり入院した場合 ステロイドで治療するよりも分子標的薬で治療したほうがより有効です(14日後の無効率:ステロイド30% 分子標的薬15%)特に外来治療でステロイドをすでに使用している患者さんには ステロイドが十分量投与されていれば 分子標的薬に変更したほうがより有効です。

ステロイド難治性潰瘍性大腸炎に使用されるJAK阻害薬はジセレカ ゼルヤンツ リンヴォックの3種類があります。JAKはJAK1, JAK2, JAK3、Tyk2の4種類がありその組み合わせで役割が決定されます。JAK2は好中球やマクロファージを活性化します。JAK1/Tyk2は抗炎症作用を介します JAK1/JAK3はT細胞の分化 B細胞活性化に働きます。JAK系を抑制すると調節性Tリンパ球の活性化も起こるようです。

ジセレカはJAK1阻害の選択性が高くJAK2阻害をしないので血球減少の副作用が少ないです。リンヴォックはJAK2阻害が比較的強く血球減少の副作用があります。ゼルヤンツはJAK3阻害が比較的強く帯状疱疹発症のリスクが高くなっています。

ジセレカは維持治療で投与量を変更する必要がなく 中止後再投与しても初回と同等の効果があります。JAK阻害薬の中では有効性と安全性のバランスが良い経口薬です。実臨床の経験では回腸のう炎には効果が低いようです。

潰瘍性大腸炎の腸管内は自己抗体を産生する形質細胞が増加しています。最近ではαⅤβ6抗体が注目を集めています。PR3-ANCA抗体もそのような自己抗体の1つですが これは潰瘍性大腸炎の重症度 病変範囲に比例して上昇し、治療により病態が改善すると低下します。クローン病では上昇しません。PR3-ANCA抗体はCRPと相関せず、好中球と相関します。この抗体が陽性の潰瘍性大腸炎患者さんは比較的重症で ステロイド 抗TNFα抗体(レミケード ヒュミラ シンポニー)が効きにくいという特徴があります。Th17細胞や好中球を主体とした病態が考えられ ステラーラ オンボ- JAK阻害剤などが有効と思われます。