2023/2/6 潰瘍性大腸炎の寛解導入治療について考える

上記の演題で 福岡大学 消化器内科教授 平井先生、九州大学 病態機能内科学 講師 梅野先生、福岡大学 消化器内科 芦塚先生がレクタブル カログラを中心とした講演 discussionしてくれました。

 

レクタブルは潰瘍性大腸炎患者さんの治療において 5-ASA製剤のみで寛解導入できないときや、中等症の方にプレドニン30㎎~40㎎で導入し減量中低用量になった時再燃した場合などに導入します。効果発現は早いのが特徴で 可能なら1日2回から開始し1回に減量してから6週間をめどに中止します。副作用は夜間不眠 moon faceなどがあります。

 

カログラの適応患者さんは5-ASA製剤高用量効果不十分な、効果が不安定な場合にステロイド投与のかわりに投与します。ステロイド投与忌避の患者さんも良い適応です。効果は患者さんによっては意外に早く出てきます。副作用は吐き気 腹痛などです。潜在的リスクである進行性多巣性白質脳症(PML)は ナタリズマブ フィンゴリモドで報告されています。ナタリズマブによるPMLの致死率は23%です。日本においてはカログラの投与期間は6か月以下とされていますので この投与期間であればPMLのことをあまり深刻に考えなくてもよいと思われます。