2023/4/18 ジセレカ錠 UC internet Live Seminar
エビデンスと実臨床からみたジセレカ錠の有用性
浜松医科大学 内科学第一講座 教授 杉本 健 先生がご司会をされ 関西医科大学 内科学第三講座 教授 長沼 誠 先生が上記の演題で講演してくれました。
潰瘍性大腸炎の治療目標は手術の回避(大腸癌 難治例)と日常生活を不自由なく十分行えることです。潰瘍性大腸炎の発がんリスクは10年で1%、20年で3%、30年で7%です。
潰瘍性大腸炎重症例の治療はレミケード プログラフ シクロスポリンが優先されます。ステロイドを使用する場合は60mg/日から開始し10mg/週で減量します。投与開始後4週で20mg/日になりますので以後は5mg/週で減量します。ステロイド30mg/日~40mg/日投与したのにもかかわらず悪化して入院になった患者さんに対してはステロイド60mg/日に増量するよりも他の治療方法に変更したほうがより有効です。ステロイド中止後すぐに再燃する患者さんもステロイド依存例と考えます。
現在ステロイド難治例に対して種々の治療が可能になりましたが患者さん一人一人に対する個別化治療には治療反応性の予測マーカーが必要です。しかし実臨床ではまだ実現できていません。投与後に 早期に寛解になり血中薬物濃度が高ければ長期に寛解維持できると予測できます。
ジセレカはバイオ製剤を投与していない 外来の 軽症のステロイド抵抗例 ステロイド依存例、内視鏡ではMES2以下 経口薬を好む 高齢者でない 男性 などがよい適応です。投与後2週間程度でなんらかの効果がでてきて 便意切迫感も改善してきます。寛解導入には200mg/日投与し維持治療も基本的には200mg/日ですが 高齢で帯状疱疹が懸念される患者さん、腎機能が悪い患者さん(eGFR≦60)などには100mg/日で維持投与します。