2023/5/17 クローン病インターネットライブセミナー

Ulcer-freeを目指したクローン病モニタリング

富山大学 炎症性腸疾患内科 特命教授 渡辺 憲治 先生がご司会され 東京医科歯科大学 消化器連携医療学 准教授 藤井 俊光 先生が 講演されました。

 

クローン病の治療目標は 手術の回避と 患者さんが通常と同様の日常生活がおくれるようになることです。

小腸に潰瘍があると将来の手術率が上昇します。クローン病小腸の画像診断ではエコー CT MRIで検査の精度は同程度です。LRG<13の場合小腸に潰瘍がないと推察されます。

LRGは全層性の炎症を評価し 便意切迫は潰瘍 粘膜の炎症の程度を評価します。クローン病では粘膜治癒に加え全層性の炎症の消失(MREでの確認)に達すると粘膜治癒だけよりも将来 手術を受けるリスクが減じます。臨床寛解→内視鏡寛解→全層性寛解と改善していきますがバイオ製剤はより高用量に投与したほうが全層性寛解をより多く得ることができます。クローン病は進行性の疾患ですので潰瘍性大腸炎に比較するとより積極的な治療強化が必要です。