2023/6/1 IBD NETWORK SEMINAR

札幌IBDクリニック 田中先生、岡山大学 平岡先生 杏林大学 松浦先生が潰瘍性大腸炎の基本治療について講演してくれました

 

高用量5-ASA 製剤(ペンタサ4g、アサコール3.6g)からリアルダ4.8gへの変更は有効ですが10%程度に副作用が出ます。その内の半数は発熱 下痢の増加などの5-ASA 不耐です。DLSTは補助診断として考えるのが適当です。DLST陰性でも5-ASA 不耐の患者さんがいます。5-ASA 不耐はペンタサ アサコール リアルダが低用量の時でも発症することがあります。5-ASA 不耐の頻度は10%ぐらいです。

ステロイド抵抗例の患者さんには5-ASA 不耐 CMV再活性化がないか確認することが大切です。

ステロイドの初期投与量が少なかったり 減量が早すぎるとステロイド依存症を作るのでこれを防ぐことが必要です。

潰瘍性大腸炎の病態は腸管局所での過剰は免疫応答です。

初めて潰瘍性大腸炎を発症しステロイドで寛解導入でき5-ASA 製剤のみで維持治療をすると5年で半数程度が再燃します。

レミケードで治療中に抗薬剤抗体が陽性になっても3ヶ月以内にイムラン、アザニンを投与するとレミケードの継続率が向上します。

イムラン、アザニン内服により 吐き気 嘔吐 感冒様症状などの副作用が出るかたがいらっしゃいますが多くの場合は1~2週間でおさまります。症状が酷い時、おさまらない時はロイケリンに変更すると内服可能です。アロプリノール100mg/日を併用すると有効性が向上します。そのさいイムランは半量程度に減量しておくとよいでしょう。日本人においては非メラノーマ皮膚癌のリスクが少し上昇します。