2023/6/12 ジセレカ錠 UC internet Live Seminar
潰瘍性大腸炎治療戦略の再構築を考察する
~新規JAK阻害薬の適応と位置づけを中心に~
大阪医科薬科大学 第二内科 教授 中村志郎 先生がご司会をされ JA北海道厚生連 札幌厚生病院 副院長・IBDセンター長 本谷 聡 先生が上記の演題で講演してくれました。
欧米のガイドラインでは ステロイド難治例に対し生物学的製剤とJAK阻害薬のどちらを先に投与するかは 原則として生物学的製剤を先に投与します。ゼルヤンツは10mg/日に減量すると再燃する場合が多く 副作用は帯状疱疹 CPK コレステロール値上昇があります。保険適応ではありませんが30mg/日で寛解導入できる場合もあります。JAK阻害剤は基本的に有効性も有害事象も用量に依存します。
ジセレカは治験の成績では有効性においてバイオ製剤未投与例では統計学的に有意差がありましたがバイオ製剤既投与例では有意差はありませんでした。
ジセレカは 疾患活動性は中等症 内視鏡:MES2程度でバイオ製剤投与前に導入するとよいでしょう。実臨床において8週の寛解率は60%程度です、生物学的製剤未投与例と既投与例で有効性にあまり大きな差はないようでした。副作用は頭痛 嘔気などを認めました。
リンヴォックは中等症から重症の患者さんに使用し 30mg/日で維持すると日和見感染や帯状疱疹の発生に注意が必要です。ジセレカ無効からゼルヤンツ リンヴォックに変更すると有効になる患者さんもいます。プログラフで寛解導入後に維持治療が難しい方に対してJAK阻害剤で維持するとよい場合もあります。