2023/6/9 スキリージ インターネットライブセミナー

スキリージの最適患者像とオートドーザーの投与について

ひだ胃腸内視鏡クリニック 院長 樋田 信幸 先生

 

抗TNFα抗体が出現する前のクローン病は5年で50%、10年で70%、20年で90%が手術に至る病気でした。北欧でのデータですが抗TNFα抗体を投与開始後は炎症型のクローン病患者さんの手術率は10%のままで上昇しません。穿通型は5年で70%、狭窄型は5年で40%の手術率です。手術を減らすには臨床寛解では不十分で小腸病変が残ると手術リスクが上昇します。小腸病変を直すには大腸病変を直すより高濃度の薬剤が必要です。粘膜治癒を達成できるのは20%から60%です。

抗TNFα抗体の問題点の1つとして効果減弱の機序がありますが 抗TNFα抗体の効果減弱の機序の1つとしてIL23によるHelper T細胞の活性化があります。IL12はTh1細胞を活性化します。IL23はTh17細胞を活性化させIL17が上昇し好中球を活性化します。Th17細胞には病原性Th17細胞と非病原性Th17細胞があります、病原性Th17細胞はTh1細胞の様な性質を持ち腸管の繊維化に関与します。非病原性Th17細胞は抗菌 抗炎症 免疫寛容に関係します。急性期のクローン病はTNFα+Th1細胞の病態でIL12が急性炎症の引き金になります。慢性期のクローン病はIL-6+Th17細胞の病態でIL23が慢性炎症遷延の原因です。クローン病の病態はIL23を単独で抑制した方が効率良く炎症を抑えることができます。スキリージの治験の成績では早期の症状改善 高い臨床寛解率 高い粘膜治癒率 高い安全性が示されました。