2023/8/1 IBD Webセミナー

大阪医科薬科大学の中村 志郎 先生がご司会をされ 札幌厚生病院の仲瀬 裕志 先生、 大阪公立大学の岡野 匡志 先生が炎症性腸疾患における腸管外合併症、関節炎の講演をしてくれました。

 

炎症性腸疾患(IBD;潰瘍性大腸炎 クローン病)の腸管合併症の25%はよく聞くと炎症性腸疾患の診断前から症状がでています。頻度としては関節炎 口内炎が多いです。

原発性硬化性胆管炎の70%は炎症性腸疾患を合併し 炎症性腸疾患の5~10%は原発性硬化性胆管炎を合併すると報告されています。その発症には腸内細菌やIBD関連遺伝子が関与しているようです。

パイエル板の中のリンパ球の他の臓器への浸潤が腸管外合併症の原因です。

エンタイビオを投与すると投与初期に関節炎や肺炎などおこすことがあります。

潰瘍性大腸炎 クローン病の患者さんの40%~50%に関節痛 10%~20%に関節炎を合併するとされています。同じ関節炎でも関節リウマチは滑膜炎で IBDは付着部炎です。付着部炎はひどくなると皮下浮腫までおこします。滑膜炎は腫れるのは関節周囲のみです。

炎症性背部痛の特徴は 40歳未満の発症 緩徐に痛みが増してくる 運動により改善します。安静では改善せず 夜間痛みが強く 朝起きて動くとよくなります。

IBDによる脊椎炎は診断が難しく発症から診断まで平均9年かかります。診断にはMRIなどの画像検査が必要です。

関節炎の治療:消炎鎮痛剤(NSAIDs)→メソトレキセート、サラゾピリン→生物学的製剤(抗TNFα抗体:レミケード ヒュミラ シンポニー、ステラーラ、オンボ-、スキリージ、抗IL-17抗体)、JAK阻害剤(ゼルヤンツ ジセレカ リンヴォック)

付着部炎の治療:消炎鎮痛剤(NSAIDs)→生物学的製剤(抗TNFα抗体:レミケード ヒュミラ シンポニー、ステラーラ、オンボ-、スキリージ、抗IL-17抗体)、JAK阻害剤(ゼルヤンツ ジセレカ リンヴォック)、

脊椎炎(体軸性病変)の治療:消炎鎮痛剤(NSAIDs)→生物学的製剤(抗TNFα抗体:レミケード ヒュミラ シンポニー、抗IL-17抗体)、JAK阻害剤(ゼルヤンツ ジセレカ リンヴォック)

病気の機序的には急性期は抗TNFα抗体を使用し慢性期にはIL23の経路を抑止するとよいです。