2023/8/22 リンヴォック クローン病適応追加記念 インターネットライブセミナー
クローン病診療におけるunmet needsとリンヴォックへの期待
浜松医科大学 内科第一講座 教授 杉本 健 先生がご司会され 富山大学 炎症性腸疾患内科 特命教授 IBDセンター長 渡辺 憲治 先生が上記の演題でご講演されました。
クローン病治療において分子標的薬による治療が2剤無効になると難治例となります。
腸閉塞症状のない狭窄を拡張するかどうかは意見が分かれます。
フラジールも外科治療の必要ない痔瘻に有効ですが投与期間は定見がありません。
クローン病で維持治療中にアザチオプリンをやめても再燃しませんがレミケードをやめると再燃しやくなります。潰瘍性大腸炎の場合よりも再燃しやすいのでクローン病ではレミケード治療は中止しないほうがよいでしょう。
スキリージで維持治療中に再燃した場合は1200mg(2バイアル)投与により再導入できます。血中濃度が高値になり有効ですが副作用は増加しません。
JAK阻害剤はバイオ製剤より副作用が多いですが 日本人においては血栓症の副作用は多くありません。バイオ既投与例にもリンヴォックは有効ですが1剤無効と2剤無効では 1剤無効のほうがより有効です。痔瘻にも効果があり投与後12週で排液なしが40%に達します。実臨床のデータでは投与後1年で70%が治療に反応しています。30mg/日の維持治療は15mg/日より副作用が増加します。寛解導入の45mg/日より減量するときは バイオマーカー(LRGまたは便中カルプロテクチン)を確認して 30mg/日または15mg/日に減量します。