2023/8/24 Ulcerative Colitis Web Seminar

潰瘍性大腸炎病態のヘテロ性と作用機序を考慮した潰瘍性大腸炎治療

富山県立中央病院 消化器内科 部長 松田 耕一郎 先生が上記の演題でシンポニーを中心にした講演をしてくださいました。

 

潰瘍性大腸炎ステロイド難治例に対して最初の分子標的薬が1次無効または効果減弱した時の次の治療は最初がレミケードの場合を除いてエビデンスがありません。再燃時に患者さんの疾患活動性 患者さんの背景 作用機序などを考慮して総合的に判断します。

ステラーラ オンボーはJAK阻害薬と同じJAK-STAT系のシグナル伝達を利用しています。ステラーラ オンボーは細胞外で阻害するのに対し JAK阻害剤は細胞の中で阻害します。

効果減弱の原因である抗薬剤抗体の出現は 治療開始時にしっかり 十分炎症をおさえると産生されにくくなります。

シンポニーはTNFαレセプターへの親和性が他の抗TNFα抗体より高いのが特徴で 効果減弱も少ない薬剤です。チオプリンの併用も必要ありません。

治療の効果判定は 抗TNFα抗体は8~10週 JAK阻害剤は2週間 ステテーラは10~12週です。

最近の若年者は新型コロナの流行のためEBウィルスの感染率が低くなり30%は感染していません。EBウィルスが潰瘍性大腸炎 クローン病の患者さんに感染するとリンパ腫発症のリスクが上昇します。