20240605ジセレカ錠UC Internet Live Seminar
実臨床から考察されるジセレカの的確症例像とは
兵庫医科大学 消化器内科学 主任教授 新崎 信一郎 先生が座長をされ、筑波大学 医学医療系 消化器内科 講師 秋山 慎太郎 先生が講演されました
潰瘍性大腸炎の治療目標はだんだん高くなり可能なら組織学的治癒まで達成するとその後の予後がよくなります。具体的には大腸の各部位での生検で好中球の浸潤を認めなくなると再燃や手術が減ります。
JAK阻害薬は用量依存的で臨床用量での選択性が重要です。JAK阻害薬3剤の中でジセレカはJAK1選択性が最も高いお薬です。帯状疱疹も比較的すくないですがやはり注意が必要です。
日本におけるジセレカの潰瘍性大腸炎に対する効果や副作用が市販後調査により報告されました。対象になったのはステロイド依存例60% 抵抗例20% 疾患活動性:pMayo:5、内視鏡的活動性:MES:2 ステロイドを服用中の方は30% 免疫調整剤服用中25% 分子標的薬治療後:54%でした 分子標的薬未使用例の疾患活動性:pMayo:4とnaive例では比較的軽症の患者さんに投与されていました。寛解率:40%。有効率:60% 1年半後の継続率60% 中止になる患者さんは10週までが多い傾向でした。naive例の方がfailure例より良い成績でした。
有効率に関与する因子を検討すると血小板が正常値で低い方が寛解になりやすく 以前の分子標的薬の使用数が少ない患者さんの方がより有効でした。分子標的薬1剤までが寛解になりやすい傾向でした。疾患活動性が高いと中止になりやすいです。
帯状疱疹の発症割合は1.3%でした。症例数は多くありませんがゼルヤンツからジセレカに変更した患者さんの50%が有効で30%が寛解でした。
ジセレカのよい適応の患者さんは外来で治療可能は軽症よりの中等症と思われます。血小板>35万の場合はゼルヤンツかリンヴォックがよいかもしれません。