2025/10/30 JDDW2025 ブレックファーストセミナー
IBD治療におけるアンカードラッグ:ペンタサ、アサコール、リアルダの役割
京都府立医科大学 医療フロンティア展開学・消化器内科学 准教授 髙木 智久 先生が上記の演題でご講演されました
潰瘍性大腸炎患者さんは発症時90%の方は軽症 中等症なので5-ASA 製剤:ペンタサ、アサコール、ルアルダがまず治療の中心となります。
潰瘍性大腸炎の活動性が高くなると大腸内のPHが低下しPH依存型5-ASA 製剤(リアルダ、アサコール)は放出効率が低下します。またPH依存型5-ASA 製剤の後発品は放出効率が不安定のため先発品から後発品に変更すると再燃することがあります。
5-ASA 製剤の作用機序は最近さらに新しい知見が発見され、TLRの発現抑制や、今話題のS1P濃度を下げることなどが報告されています。5-ASA 製剤は吸収されると速やかに代謝され排泄されます。血中に吸収され全身に回って効果を発揮するのではなく、局所で吸収されて治療効果をもたらします。そのため経口薬でも局所製剤でも治療メカニズムは同じです。
5-ASA 製剤を高用量で維持している最中に低用量に減量すると再燃することがありますが再び高用量に増量しても再寛解導入できるのは50%ぐらいです。大腸カメラでMES0 内視鏡的治癒を確認してから減量すると再燃しにくいです。高用量を服用させてアドヒアランスが低下するより 低用量でアドヒアランスが高い方が再燃しにくいです。1日1回服用がアドヒアランスを保ちます。
1日4回以上の下痢ではPH依存性5-ASA 製剤は大腸 特に直腸での5-ASA 濃度が低下します。直腸の5-ASA 濃度は大腸内で最も低くなるため局所製剤(坐薬 注腸製剤)の併用が有効です。ペンタサ坐薬は使用後3日ぐらいで血便減少してきます。
5-ASA も少なからず副作用があります。5-ASA 不耐の予測因子としてpANCAが報告されています。発熱38℃以上 CRP高値を示す急性の5-ASA 不耐は 2週で50% 4週で70%認めます。
日本のレセプトデータでは 4g/日を超える量は休薬しやすく 3g/日が最も休薬しにくい量でした。5-ASA 製剤の中ではリアルダ4.8g/日が 休薬イベントが多かったです