2025/10/31 JDDW2025 ブレックファーストセミナー

 腸内細菌は脳腸相関のかなめ

慶應義塾大学 消化器内科 教授 金井 隆典 先生が上記の演題で講演されました

 

ストレスや暴飲暴食で炎症性腸疾患:潰瘍性大腸炎 クローン病は悪化するので 脳と腸は連携していると思われます(腸脳相関) 制御性T細胞;Tregは活性化した他の免疫細胞を抑える警察官みたいな役割をしています。今年のノーベル賞を受賞した坂口先生は胸腺(Thymus)で成熟するtTreg を発見しました。腸管で働くのはGut pTreg: Gut peripheral Tregです。

迷走神経は脳神経の中で最も長く1m以上になります。脳神経は左右2本ありますが右迷走神経と左迷走神経で働きが違います。左迷走神経は胃、肝臓 膵臓などに分布し 右迷走神経は下部小腸や大腸に分布します。肝臓は右にありますが左迷走神経肝臓支に支配されます。Gut pTregが減少すると炎症性腸疾患が増加しますが左迷走神経肝臓支を切除すると炎症性腸疾患が増加します。この減少は実験腸炎でも 人の疫学調査でも確認されています。マウスで左迷走神経肝臓支を刺激すると実験腸炎がなおります。このことを実際の臨床に応用する場合は 例えば 1回目のクローン病の手術の時に左横隔膜の下の神経に電極を挿入することが考えられます。手術でない方法としては体外から特殊な機器:体外式超音波ニューロモジュレーションを使用して刺激することなどが考えられます。

神経を刺激して病気を治す方法としては欧米ではてんかんを治す治療法がすすめられています。

潰瘍性大腸炎 クローン病における腸脳相関において脳の中で重要な部分は扁中心核です。潰瘍性大腸炎 クローン病なるとこの部分の血流が増加することが知られています。この部分の神経伝達物質はソマトスタチンで これが増加するとGut pTregが増加し、潰瘍性大腸炎 クローン病の改善につながります。

プラセボ効果は治験の時には余計な事象ですが 実臨床においては逆に投与するお薬の効果を上乗せしてくれる現象です。主治医は患者さんから「この先生がくれるお薬 治療法だがら きっと効くだろう」と思われる様になりましょう。

健康な生物には 炎症性腸疾患を発症させる腸内の抗原を認識しているmemory T細胞が少数存在しています。これが増加すると潰瘍性大腸炎 クローン病が発症します。 この細胞が増加しないようにGut pTregの機能を強化できれば潰瘍性大腸炎 クローン病を治癒させることができるかもしれません