2025/3/12 Voice of the Ulcerative Colitis Patients

軽症・中等症の潰瘍性大腸炎に対する薬物治療

福岡市民病院 消化管内科 科長 高橋 俊介 先生が上記の演題で講演されました

 

5-ASA 製剤は潰瘍性大腸炎治療の基本ですが 5-ASA 製剤の有効成分であるメサラジンは消化管の炎症局所に直接作用し、消化管から吸収され循環系に移行すると失活します。5-ASA 製剤の効果は粘膜内濃度に比例するので効果不十分の時は投与量を増量します。また局所製剤の併用が有効性を高めますがレクタブル注腸は比較的早期に効果発現が期待できます。

ステロイド経口投与は短期的には有効性が高いですが 長期的には新たな治療の追加が必要となることが多く、ステロイド依存例と抵抗例は長期寛解が得られにくいです。ステロイドは特に長期に使用すると高率に副作用が起こりますが 副作用がおこらないように工夫したのがステロイドのアンテドラッグ:ブデソニドです。

アンテドラッグ:薬剤が暴露された局所で活性を発揮し、体内に吸収されると速やかに分解され 活性がなくなる また活性が低くなる薬剤のことです。ブデソニドはステロイドのアンテドラッグで 臨床では 潰瘍性大腸炎ではコレチメント クローン病ではゼンタコートとして使用されています。ブデソニドは局所で吸収された後は肝臓に行き大部分が不活性化され、バイオアビリティはレクタブル:16%。コレチメント:9~12% ゼンタコート:11~21% です。クローン病の検討においてはプレドニン40mgとゼンタコート9mgが同等の有効性があります。

またブデソニド9mg/日8週間投与では副腎皮質機能低下はおこらないので安全性も高いです。日本の治験においてはアサコール9錠(3600mg)の治療成績に及ばなかったので投与するさいには患者さんを上手く選ぶことが必要です。コレチメントの使いどころは 5-ASA 製剤の効果不十分または不耐、分子標的治療の効果減弱で慢性持続している患者さんのレスキュー、注腸治療ができない、使いたくない患者さん 注腸治療の効果不十分 などです。