2025/3/8 ゼポジアWEBセミナー

この春 日本上陸!1日1カプセル内服の潰瘍性大腸炎治療薬ゼポジア

香川県立中央病院 消化器内科部長 IBD副センター長 高橋 索真 先生が上記の演題で講演してくれました

 

潰瘍性大腸炎は平成の30年間で約8倍 患者さんが増加しました、しかしそのうちの2/3は軽症で5-ASA 製剤により寛解導入できることが多いです

京都大学の藤多教授らの研究から スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体阻害薬は 冬虫夏草に含まれる成分の1つに免疫抑制効果があることが発見され その化合物の構造に基づいて フィンゴリモドが最初に合成されました。

フィンゴリモドは炎症性腸疾患実験腸炎モデルで腸炎の改善をもたらすことが報告されています。フィンゴリモド オザニモド(ゼポジア)などのS1P受容体調節薬は2次リンパ組織:リンパ節 パイエル板などからのリンパ球移出を障害します。

TNFαは様々な免疫担当細胞から分泌され炎症性腸疾患の病態に関わっています。タクロリムスはT細胞の働きを抑えます。S1Pは赤血球や内皮細胞で多く産生されます。その受容体であるS1P受容体は 遊走細胞膜上に存在し、S1P1-S1P5の5種類のサブタイプが存在します。

S1PとS1P受容体は 細胞増殖 アポトーシス 細胞運動 神経 免疫応答 細胞運動制御,アクチン骨格形成,接着結合形成など幅広い分野の生体内反応に関わっています。

ゼポジアは海外の大規模治験で潰瘍性大腸炎に対する有効性が証明されましたがそのサブ解析で 抗TNFα抗体が前治療薬として使用したことがある患者さんにも抗TNFα抗体未使用の患者さんと52週の寛解率が同等であることが解りました。またステロイド使用歴のある患者さんと未使用の患者さんとで52週の寛解率は同じでした。ゼポジア投与後10週で有効であった患者さんとその時点では有効に達していない患者さんも52週の寛解率は同じでした。これはだんだん効いてくる患者さんがいることを示しています。

ゼポジアを中止すると半年までに約1/3の患者さんが再燃しますがそれ以後1年までは再燃は多くないようです。このことはゼポジアの有効性が長期にわたることを示しています。

一般的にS1P受容体調節薬は徐脈 黄斑浮腫などの副作用があります。投与前に心電図を検査することが必要です。プログラフ、シクロスポリン ロイケリン イムラン 生物学的製剤 JAK阻害薬と併用はできません。生ワクチンの投与もできません。妊娠している女性にも投与できません。

ゼポジアのよい適応である患者さんは メサラジンで不応 不耐、ステロイド依存 抵抗例 ステロイドの副作用でステロイドを導入できない患者さん、チオプリンの副作用のため導入できない患者さん チオプリン抵抗例、プログラフで寛解導入後の維持治療 分子標的薬抵抗性の慢性持続型、女性では当面妊娠の予定、可能性がない患者さん などです。これらの当てはまる患者さんのうち 糖尿病   目の病気(ぶどう膜炎、網膜疾患) 心疾患 肝疾患などの病気がない方がよいでしょう。