2025/4/5 IBDAを語る会
どうする? クローン病合併痔瘻治療 薬物療法? 再生医療? 手術?
上記の演題で膳所病院 理事長 膳所 憲二 先生がご司会をされ 大腸肛門病センター高野病院 理事長 高野 正太 先生がご講演してくれました。
アロフィセルはクローン病に伴う複雑痔瘻の治療に使用される再生医療等製品で、健康成人の皮下脂肪組織から得られた間葉系幹細胞を培養して作られます。日本人のアロフィセルの治療成績は52週の寛解率:70%でQOLも改善したと報告されています。一方海外では治験において長期効果はなかったと報告されています。
海外では 脂肪を吸引して脂肪細胞由来の幹細胞を濾過分離して痔瘻に注入する治験が進行しています。筋肉細胞の由来の幹細胞を痔瘻に注入する治験は日本でも行われています。
オルガノイドとは、幹細胞から臓器や組織を模倣した三次元的な構造物、ミニチュアの臓器を指します。具体的には、ES細胞やiPS細胞などの幹細胞を培養し、自己組織化させることで、脳、肺、小腸など、様々な臓器や組織の構造と機能を再現したものがオルガノイドです。クローン病による短腸症候群に対し 上皮よりオルガノイドによる技術で小腸細胞を再生し大腸に移植する研究も行われています