2025/5/15 Ulcerative Colitis Web Seminar
長期を見据えた潰瘍性大腸炎治療戦略
-抗IL23p19抗体製剤が開く新たな扉-
福岡大学 消化器内科 主任教授 平井 郁仁 先生が座長をされ、 北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター センター長 小林 拓 先生が上記演題でご講演されました
トレムフィア(グセルクマブ)はIL23を遮断する生物学的製剤です。潰瘍性大腸炎に対する大規模治験では 症状の改善は1週間目ぐらいからプラセボと差がついてきます。生物学的製剤未使用の患者さんと生物学的製剤使用歴のある患者さんとで治療成績にあまり差はありませんでした。安全性も高いです。潰瘍性大腸炎 クローン病ではIL12を抑制するメリットはあまりなく、抗IL12/23抗体であるステラーラもメインの効果はIL23の制御です。IL23の制御は抗IL23抗体の方が効率よく抑制することができます。抗IL23抗体は投与用量に天井があり 投与量を増加しても治療成績は向上しません。トレムフィアは投与開始後12週までは4週毎に静注しますがその時点で維持療法に移行するのか判断します。維持治療は100mgX 8週か200mg X4週ですが 12週の時点でCRP>0.3, 便中カルプロテクチン>250, 内視鏡検査で炎症が残っている場合は200mg X4週の維持治療がよいでしょう。トレムフィアは 入院治療を考慮するような急性重症の患者さん以外に幅広く使用できます。副作用が少ないので高齢者や安全性を担保しなければならないような合併症もお持ちの患者さんにも投与できます。JAK阻害薬まではないが少し治療を急ぐ患者さんや高齢者の急性増悪にもよいと思われます。
抗IL23抗体は3種類:トレムフィア、スキリージ、オンボ-がありますが治験の成績で比較すると有効性 安全性に大きな差はなく、維持治療の投与方法が異なるのでそこで使い分けするとよいでしょう。抗IL23抗体はステラーラの進化したお薬と考えられ ステラーラ2次無効例に有効な場合があります。