2025/6/19 Ulcerative Colitis Seminar
コホート研究ですが レミケード ヒュミラ シンポニーなどの抗TNFα抗体を使用している潰瘍性大腸炎患者さんにペンタサ、リアルダなどの5-ASA 製剤を中止しても再燃率は上昇しません。レセプトデータではステラーラを使用している潰瘍性大腸炎患者に5-ASA 製剤を中止しても再燃率は上昇しません。
以前に他の生物学的製剤を使用した難治例では5-ASA 製剤併用しているほうが再燃しにくいようです。
レセプトデータではゼルヤンツ20mg/日で維持治療している潰瘍性大腸炎患者は5-ASA 製剤を中止可能ですが10mg/日で維持治療している患者さんは5-ASA 製剤中止すると再燃しやすくなるようです。
5-ASA 製剤とアザチオプリンの維持治療よりもバイオ製剤の維持治療のほうが 炎症性腸疾患が原因の発癌リスクが減少します。
アザチオプリン(イムラン アザニン)は併用すると感染症のリスクが増加します。
レミケードなどの抗TNFα抗体はその治療開始時にイムランを併用するとトラフ濃度上昇 抗薬物抗体産生の抑制などに働き 治療開始時にレミケード+イムランは治療成績の向上に寄与します。ステラーラ エンタイビオ ジセレカは治療開始時にイムラン併用しても治療成績の向上はありません。
クローン病においてはイムラン長期にレミケードまたはヒュミラ併用(2年程度)後にイムランを中止しても併用した場合と再燃率に差はないとの報告もあります。潰瘍性大腸炎においてはエンタイビオは組織学的治癒を達成するとイムラン中止可能とのデータがあります。
潰瘍性大腸炎においてイムラン単独で維持治療している場合 中止すると 1年で35% 2年で50% 3年で60%再燃するとの報告があります。イムランの治療期間が短い場合や全大腸型で中止後再燃しやすくなるようです。