2025/7/23 IBDにおけるBioマーカー:PEG-MUMの活用

 

浜松医科大学 内科学第一講座教授 杉本 健 先生、長崎みなみメディカルセンター

消化器内科 岡村 卓真 先生、浜松医科大学 内科学第一講座助教 石田 夏樹 先生がPEG-MUMの活用について討議してくれました

 

活動期には生検でGeboesスコアを評価し 尿中PEG-MUMを評価して病態を推測して治療方針を決定します。Th17細胞優位の病態の慢性炎症の評価に尿中PEG-MUMは適しています。Geboesスコアではスコア2B, スコア3が好中球主体 スコア2Aが好酸球主体の病態を表し増す。維持期には血中LRG 便中カルプロテクチン 尿中PEG-MUMを1ヶ月後に測定して経過観察します。

PEG-MUMはFITと同様に内視鏡スコアを反映し CRPより鋭敏に内視鏡スコアを反映します。将来の再燃予想に役立ち、臨床寛解の期間でもPEG-MUMが上昇するとその後再燃することが予測されます。

尿中PEG-MUMはクローン病の小腸病変の評価にLRG、便潜血 便中カルプロテクチンより優れています。潰瘍性大腸炎においてMES0か1を判定するのは便中カルプロテクチンが最も優れています。LRGやPEG-MUMはMES2以上の炎症を反映します。直腸型ではLRG PEG-MUSは病状を反映しにくいです。便中カルプロテクチンが適当です。

潰瘍性大腸炎の活動期にPEG-MUMが陰性の場合が50%程度あります。またこのような場合は組織で好酸球が多く病態にTh17細胞が関与していない可能性があります。

潰瘍性大腸炎の患者さんには活動期に尿中PEG-MUMを測定してTh17細胞の関与を評価し 寛解期には便中カルプロテクチンで粘膜治癒の有無を追っていくのがよいでしょう。尿中PEG-MUMは全身の炎症が評価されます、病理は1点だけの評価になるので結果にバラツキも出るので組み合わせるのが大切です。臨床寛解だけどPEG-MUMが高い時は抗p19抗体:オンボー、スキリージ、トレムフィアの追加治療の適応です。どれを選択するかは個々の薬剤の使用方法で患者さんに合っている物になるでしょう。また活動期に抗p19抗体で治療する場合に炎症が強い時はコレチメントなどを併用するとよいでしょう。