2025/7/31 Omvoh Web Seminar UCAN

自治医科大学 消化器内科 教授 矢野 智則 先生、名古屋大学医学部付属病院 消化器内科 病院講師 山村 健史 先生、岩手医科大学 消化器内科 松本 主之 先生が 潰瘍性大腸炎関連腫瘍について討論してくれました。

 

瘍性大腸炎(UC)に関連した腫瘍(UC関連腫瘍:UC-associated neoplasm : UCAN)の診断は病理ではp53のびまん型発現 Ki6のbottom up発現です。見えない腫瘍:内視鏡的視認困難はIIb平坦病変が存在するので注意が必要です 範囲診断には周囲の陰性生検が必要です。サーベイランスはlow grade dysplasia(LGD)の場合 半年に1度、high grade dysplasia(HGD)の場合はもっと短く内視鏡検査しなければなりません。

UCANの治療はLGDの場合は、特に高齢者の患者さんなどには内視鏡治療も許容されます。HGDの場合は一般には大腸全摘になりますが 特に若年者 原発性硬化性胆管炎の合併している患者さんは大腸全摘のほうがよいでしょう。UCANに対するESDなどの内視鏡治療は診断的治療を考えた方がよいです。時には内視鏡治療前にHGDと診断した病変がLGDで大腸手術を免れることがあります。

UCANの内視鏡治療の短期成績はまずまず満足できる成績ですが長期的には異所性腫瘍が発症し 内視鏡治療の追加 結局は大腸手術になることがよくあります。UCANの内視鏡治療は粘膜下層に繊維化 脂肪浸潤が伴っていることが多いので通常のESDより困難なことが多いです。また潰瘍性大腸炎患者に発症した通常型腫瘍(Sporadic Neoplasm:SN)の内視鏡治療にも炎症のため繊維化を伴うことが多く内視鏡治療の際の合併症増加につながっています。UCの発癌は粘膜 組織の炎症の積分が原因なので治療の際は粘膜のみならず組織学的に寛解が期待できるような生物学的製剤を選択することも考慮したほうがよいでしょう。最近は内視鏡分野でもAIが進出してきました。AIの併用により、より簡便な潰瘍性大腸炎の重症度評価や、その後の臨床経過の予測:再発のリスクの評価などが可能になってきました。