2021/3/10 Takeda IBD全国Webセミナー

Moderately active Crohn’s disease-best treatment options in 2021

 

東京慈恵医科大学の猿田先生が司会をしてイスラエルのDotan先生が中等症クローン病治療の講演をしてくれました。中等症のクローン病症例はCDAI:150-220で まだ瘻孔や狭窄のない、炎症のみの患者さんもいます。しかし病勢が中等症だからといって予後も中等症ではありません。急激に進行して狭窄 瘻孔をつくり手術になってしまうこともあります。下痢 腹痛 発熱 体重減少などでクローン病は発症してわずか6ヶ月以内に瘻孔や狭窄などの腸管合併症ができることもあるため治療を開始する最も良い期間を逃してしまうことがあります。診断早期の治療をいかに行うかが大変重要です。抗TNFα抗体製剤(レミケード ヒュミラ)の外人での成績は一次無効(最初から全然効かない):25%で1年後の寛解:40% 2次無効(だんだん効かなくなる):3年で30% 重い副作用:9%(日本人の方が抗TNFα抗体の成績は良いです) 長期の維持率:エンタイビオ39% レミケード38% ヒュミラ36% ステラーラ50% エンタイビオは粘膜だけでなく腸管全層の炎症を改善(MREのデータ)します。副作用はエンタイビオとステラーラは頻度が同じ程度に安全で 抗TNFα抗体は感染症以外の副作用がエンタイビオより多いです。エンタイビオをクローン病患者さんに投与するときは 狭窄や瘻孔のある方には効果がありません。このような合併症の出る前の炎症のみの時に投与を開始して投与3回終了後の14週~16週ごろに今後継続するか判定します。効果はその前にだいたいでてきます。導入後は6ヶ月後ぐらいに内視鏡で治療効果を確認します。