2021/5/29 Takeda IBD Global Web Seminar
Vedolizumab in IBD-learning from the real-world experience
滋賀医科大学の安藤 朗先生が司会をしてイスラエルのKopylov先生が上記の演題で講演してくれました。実臨床と治験では対象患者が異なり 実際の患者さんのうち30%程度しか治験には組み込まれません。治験では得ることのできないデータを実臨床のデータで互いに補い合って最もよい使用方法を考え出すことが必要です。イスラエルでの実臨床ではエンタイビオを潰瘍性大腸炎患者に投与して1年後の寛解率は33% 有効率は42% クローン病ではそれぞれ25%、45%です。実臨床からの文献データでは クローン病ではエンタイビオと抗TNF-α抗体(レミケード ヒュミラ)の効果はほぼ同等で 潰瘍性大腸炎では薬物の増量の必要性や投与の維持でエンタイビオが抗TNF-α抗体(レミケード ヒュミラ シンポニー)より勝っていて 重篤な感染症 重篤な副作用でより安全であると報告されています。エンタイビオはたとえ手術になっても術後の感染症が増加することがなく 妊娠中の有効性 安全性で抗TNF-α抗体と同等です。経験的には出産前に中止する必要はなさそうですが胎児には移行するので生ワクチンの接種は6か月以後の方がよいでしょう。エンタイビオを投与したら投与開始後10週時点で効果判定し 14週 22週で効果なければ薬剤の変更を考慮します。クローン病で痔瘻のある患者さんには抗TNF-α抗体(レミケード ヒュミラ)にイムランを併用する治療がよいです。