2021/9/8 Takeda IBD全国Webセミナー

クローン病におけるべトリズマブ(エンタイビオ)の可能性を考察する

 

慶應義塾大学の緒方先生が司会を務め 佐賀大学の江崎先生が講演してくれました。多くの文献の内容をまとめてわかりやすく紹介してくれました。

海外の実臨床の文献では 長期の効果は抗TNF-α抗体(レミケード、ヒュミラ)とエンタイビオは同等で 副作用はエンタイビオが少ないようです。レミケードで2次無効になった場合はエンタイビオよりステラーラを投与したほうがよいです。エンタイビオがよく効くクローン病患者さんは 軽症 腸管外合併症がない 診断後早期(5年以下) バイオ製剤未投与 穿孔型でない です クローン病では意外にもレミケードよりエンタイビオのほうに副作用が多いようです。クローン病は腹腔内膿瘍が多いのでこれに関連した感染症が多くなるのが理由かもしれません。(潰瘍性大腸炎ではレミケードよりエンタイビオの方に副作用が少ないです) 妊婦さんにも安心して使用できるようです。エンタイビオは投与後早期の効果発現が緩徐なので 症状が強い場合は 大腸型の患者さんにはステロイド、小腸型の患者さんにはエレンタールなどの経腸栄養を併用します。肛門病変には効果はレミケード、ヒュミラ>ステラーラ>エンタイビオの順です