2022/2/21 Crohn’s disease Web Seminar

ウステキヌマブ(ステラーラ)の有用性の検討と、最新エビデンスからみた今後の可能性

上記の演題で埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科 准教授 加藤 真吾先生が講演してくれました。

 

クローン病の病態にはサイトカインパスウェイの上流を司るIL12/23が深く関与しています。炎症の流れ:白血球の遊走(ここを抑えるのがエンタイビオ)→IL12/23(ここを抑えるのがステラーラ)→TNF-α(ここを抑えるのがレミケード ヒュミラ)

クローン病においてステラーラを1年投与すると25%の症例が粘膜治癒に至り 大腸のほうが小腸より治りやすく 喫煙は潰瘍の改善にはマイナスです。ステラーラは最初に投与するお薬としては 1年までの短期の成績では抗TNF-α抗体投与:ヒュミラと同等の寛解導入率で 使用する場合はレミケード、ヒュミラなど1剤で効果減弱後までに使用したほうがよりよく効きます。ステラーラはクローン病で長期に寛解維持できるお薬です。投与開始後5年たっても臨床寛解:90%です。但しこれは評価方法がAs observedですので 途中で脱落した症例は評価に含めないので 成績がよりよく見えます。評価方法がModified observed caseでは8週投与で76%、12週投与で60%です。この数字の方が実臨床に即していると思います。にしても長期に安定した効果を発揮するお薬です。5年後の中和抗体産生率は5%と低率です。