20220405 Ulcerative Colitis Web Seminar

潰瘍性大腸炎治療の潮流を知る

-ステラーラの適応を含めて-

上記の演題で東京慈恵会医科大学の猿田 雅之 先生が司会をされ 浜松医科大学の杉本 健 先生が講演してくれました。

 

潰瘍性大腸炎はヘテロなサイトカインプロフィールを有しますが大別するとTh1,Th2,Th17に分類できます 現在臨床で使用できるお薬で慢性期にTh2を抑えるお薬ないので憂慮されます。ステラーラはIL-12、IL-23を抑える薬ですがIL12はTh1 IL-23はTh17に関与します。炎症の始まりはIL-12がきっかけとなりIL-23が慢性化させます

ステラーラの好適症例は 外来通院可能な中等症で 仕事、学業で多忙(3ヶ月毎の皮下注)

アドヒアランス不良(内服や自己注射が不規則 不定期) 安全性を重視する患者さん 副作用でゼルヤンツが使用できなくなった方(サイトカインプロフィールが似ている)

抗TNFα抗体で乾癬様の皮疹が出現した方 大腸粘膜観察で 好酸球浸潤が少なく 腺管への好中球浸潤が多い患者さんなどです

抗TNFα抗体(レミケード ヒュミラ シンポニー)の1次無効の場合は ヒュミラなら増量投与、タクロリムスに変更などでTh1を十分抑制し それでも効果がなければ Th17を抑制するステラーラ、ゼルヤンツに変更するとよいでしょう