2022/5/17 ジセレカ錠 潰瘍性大腸炎適応追加記念講演会 in 九州
JAK阻害薬による関節リウマチ治療の新時代 ~ジセレカの安全性にも注目して~
潰瘍性大腸炎における新規JAK阻害剤Filgotinib(ジセレカ)への期待
上記の演題で関節リウマチに関しては 九州大学 新納 宏昭 先生、潰瘍性大腸炎に関しては 福岡大学 平井 郁仁 教授が講演してくれました。
ジセレカは関節リウマチと潰瘍性大腸炎で投与量が同じですので関節リウマチのデータが参考になります。日本人の関節リウマチでは重篤な副作用はジセレカ200mgと100mgで発症に差はありません。また重篤な心血管系の副作用、悪性腫瘍の増加はありません。他のJAK阻害薬(ゼルヤンツ、リンボック)に比べ ジセレカでは帯状疱疹は発症しにくいです。ジセレカはJAK1を選択的に阻害するので安全性の点でより有益です。例えばジセレカはJAK2を阻害しないのでゼルヤンツより貧血になりにくいです。治験のデータではジセレカ投与後10週で患者さんの約半数が有効となり1年経つと バイオ製剤未投与:67%、バイオ製剤投与例:50%が臨床寛解に達します。副作用はプラセボと変わりありません。ジセレカの適応は外来投与が可能な軽症 中等症のステロイド依存性、またイムランを併用しても症状が残る患者さんです。または外来で治療可能なステロイド抵抗例です、生物学的製剤1次無効例はゼルヤンツがよいでしょう。経済的な面ではゼルヤンツの半分程度のお値段です。