2022/6/15 エレンタールWEB講演会
「小児クローン病」 久留米大学 小児科 准教授 水落 建輝 先生
「成人クローン病」 福岡大学 消化器内科 教授 平井 郁仁 先生
小児と成人でそれぞれ栄養療法の意義について講演してくれました。
小児のクローン病 潰瘍性大腸炎患者さんはここ10年で1.5~2倍に増加しています。クローン病の増加が目立ちます。クローン病で広範で深い潰瘍があり肛門病変も有する患者さん(全体の40%~50%)は早期にレミケード ヒュミラを導入すべきです。8週の寛解率ではエレンタールはステロイドより効果があり2年後でもエレンタールのほうが再燃は少ない傾向です。エレンタールで下痢するときは1包を600mlに溶解すれば濃度は通常の50% 2包を800mlに溶解すれば75%になり下痢しにくくなります。
成人においてもエレンタールでクローン病の寛解導入できます。レミケード登場以前はエレンタールで寛解導入 維持していました。エレンタールを服用することにより食事抗原、脂肪摂取が減量され結果として過剰な免疫応答 免疫反応が抑制されます。レミケード ヒュミラをより効果的にするにはエレンタールによりアルブミンの上昇が大切です。小腸病変を有する、アルブミン低値などのクローン病患者さんにはエレンタール服用が必要です。600kcal以上摂取できるとレミケード ヒュミラに2次無効がおこりにくくなります。クローン病と診断されたらすぐに600~900kcal程度摂取するのが理想ですが 3日間服用の練習をしてアドヒアランスを確認した場合でも70%の患者さんは2年後>900kcal摂取維持できませんでした。1包でも服用してもらえれば食生活の是正になりhalf-EDの練習にもなるので少しでも飲み続けてもらうのがよいでしょう