2023/7/11 リンヴォックインターネットライブセミナー
難治潰瘍性大腸炎外来診療におけるOption選択について
-JAK阻害薬の位置づけとリンヴォックのベストユース-
大阪医科薬科大学 第二内科 専門教授 中村 志郎 先生が上記の演題で講演してくれました。
ゼルヤンツの副作用のリスクは65歳以上 喫煙者で 若い患者さんではリスクは上昇しません。2剤バイオ製剤無効例の3剤目としてゼルヤンツとステラーラの効果は同等でした。JAK阻害薬を投与するさいには 年齢 喫煙歴 心疾患の有無 血栓症の有無などを考慮します。リンヴォックも帯状疱疹には他のJAK阻害薬と同様に注意が必要です。
PSL抵抗例に対して全てのT細胞サブセットを抑制する治療としてプログラフがありますが寛解導入のみ使用でき 維持治療としては使用できません。
ゼルヤンツとステロイドを併用すると日和見感染 帯状疱疹のリスクが上昇します。PSL抵抗性の後 バイオ製剤投与前にゼルヤンツを投与すると 副作用のリスクは低く 長期寛解維持効果も高いです。バイオ使用後にゼルヤンツを投与すると長期の寛解維持効果は低下します。バイオ製剤未使用例ではジセレカ、ゼルヤンツ、リンヴォックの有効性はほぼ同等ですが バイオ製剤投与例ではジセレカ<ゼルヤンツ、リンヴォックです。
安全性はジセレカが1番です。ジセレカは糖尿病、白内障、緑内障などでステロイドが投与できない患者さんにステロイドをスキップして使用してもよいでしょう。ジセレカはバイオ製剤未使用例に投与したほうがより効果が上がります。
ジセレカ ゼルヤンツ無効例 プログラフ無効例、抗TNFα抗体・エンタイビオ無効例にもリンヴォックは有効です。治験の成績ではリンヴォックは長期の有効性においてバイオ製剤投与例とバイオ製剤未使用例での差がなくなってきます。