2023/6/15 UC Web Seminar
難治性UC内科治療の現状とオンボーへの期待
大阪医科薬科大学 第2内科 専門教授 中村 志郎 先生が上記の演題で講演してくれました。
オンボー(ミリキズマブ)はIL23を抑制するバイオ製剤です。潰瘍性大腸炎に適応があります。
ステラーラはIL12とIL23の両方を抑制するバイオ製剤です。IL12/23はnaïve T細胞がTh1/Th17 T細胞に分化するのに役立っています。IL12はTh1細胞への分化に IL23はTh17細胞への分化に必要です。Th1細胞は 抗腫瘍免疫、細菌 ウィルスに対する感染防御の免疫の中心を成しており 生体の防御機能の維持に働いています。
ステラーラは抗p40抗体でIL12/23をブロックすることにより自然免疫 獲得免疫の両方に作用し、炎症の持続拡大を抑えます。TNFαに対してはTh17細胞を介した間接的な抑制作用を有します。ステラーラのデメリットはIL12も抑制する点があります。治験の成績では長期の有効性がバイオ未使用の方とバイオ経験者で同等であり 一度寛解になると長期に維持されます。バイオを複数使用した患者さんにも効果を認めます。副作用は少ないです。
pMayo:0の患者さんでもそのうちの40%は便意切迫感を感じているという報告があります。オンボーは便意切迫感の改善力があることを治験において示しました。