2023/10/20 Ulcerative Colitis 全国Web セミナー
潰瘍性大腸炎新規自己抗体
~抗インテグリンαvβ6抗体同定~
防衛医科大学校 内科学講座 教授 穂苅 量太 先生が司会をされ 京都大学 消化器内科 助教 塩川 雅広 先生が上記の演題で講演してくれました
潰瘍性大腸炎は自己免疫機序による上皮細胞障害が最初の病因ではないかと考えられています。正常では 上皮細胞のインテグリンαvβ6と結合織の間質細胞のフィブロネクチンが結合して粘膜が保たれていますがこの結合の障害が潰瘍性大腸炎の病態開始と考えられています。
インテグリンαvβ6は正常では発現していませんが炎症時に発現が増加して創傷治癒に役立っています。
抗インテグリンαvβ6抗体は抗体価と潰瘍性大腸炎の病勢が相関します。クローン病では上昇しません。クローン病以外の腸炎でも陰性です。αvβ6の発現が低下すると潰瘍性大腸炎の病状も改善します。