2023/12/3 第58回 IBD Club Jr.研究会
潰瘍性大腸炎に対する最新の内科治療
北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター 小林 拓 先生が上記の演題で講演してくれました。
カログラは経口薬でステロイドの前に投与します。妊婦さんや肝臓が非常に悪い患者さんには投与できません。
抗TNFα抗体は潰瘍性大腸炎では3種類:レミケード ヒュミラ シンポニー使用できますが効果減弱した時 ヒュミラは増量投与できるようになりました。
エンタイビオは長期の成績はレミケードを上回っていますが短期の成績はレミケードの方が優れています。
JAK阻害薬は経口薬剤なので薬物相互作用に注意が必要です。特にゼルヤンツとリンヴォックはCYP3A4阻害薬との併用には気をつけましょう。ジセレカはその必要はありません。ジセレカはJAK1を選択的に阻害し、治験では投与後5,6日で効果がでてきました。JAK阻害剤3剤の中では最も副作用が少ないです。ゼルヤンツはJAK1とJAK3を主として阻害します。リンヴォックは治験の成績では8週で改善すると1年間は有効です。ゼルヤンツやジセレカが無効の場合にもリンヴォックに変更すると効果を発揮する患者さんもいます。入院加療が必要は重症例にも有効です。リンヴォックの副作用は帯状疱疹 にぎび、肝障害や白血球減少などの数値異常などです。