2024/4/24 リンヴォック インターネットライブセミナー
症状から考える潰瘍性大腸炎治療のコツ
-リンヴォック2年間の使用経験を含めて-
埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科教授/IBDセンター長
加藤 真吾 先生が講演されました。
TNFαは炎症におけるガソリンのような物でこれを抑えると良く効きますが、潰瘍性大腸炎は個人によって病態の中心となるサイトカインが異なるため その有効率は60%程度です。
潰瘍性大腸炎治療において抗TNFα抗体(レミケード ヒュミラ シンポニー)は抗薬物抗体が原因と思われる2次無効が60%程度出現します。
ヤヌスキナーゼ(JAK)はサイトカインが炎症細胞に結合したあとの次の作用までの経過を橋渡しする物質(セカンドメッセンジャー)です。4種類ありそのコンビネーションで多彩な作用を発揮します。そのうちJAK1は炎症 自然免疫 リンパ球増殖 ウィルス抑制効果などを媒介します。
最初のJAK阻害薬:ゼルヤンツは他のJAKも広く抑制しますがリンヴォックはよりJAK1特異的に抑制し 抗炎症に特化した作用を持ちます。
リンヴォックの適した患者さんは外来で完全によくならずまだ下痢 下血 腹痛などの症状がくすぶっているかた また TNFα抗体とメカニズムが異なるので 抗TNFα抗体2次無効例などです。また深掘潰瘍がある内視鏡的に重症の患者さんにも効果を発揮することがあります。