2024/10/27 Skyrizi UC Internet Live Seminar

ここまできた潰瘍性大腸炎の分子標的薬治療

~抗IL12p19阻害薬スキリージをどう使うか、どう活かすか?~

浜松医科大学の杉本 健 先生がご司会をされ 大堀IBDクリニック 院長 吉村 直樹 先生が上記の演題で講演してくれました

 

スキリージはIL23のサブユニットp19に対するヒト化モノクローナル抗体です。p19に特異的にかつ高い親和性で結合することでIL23の活性のみを阻害し 炎症の中心をなすTh17の経路を抑制します。

スキリージはステロイド難治例に対し外来レベルで治療可能な中等症に対して良い適応です、ステロイド依存例 ステロイド抵抗例の両方に有効です。重症例にはステロイドなどで炎症をある程度抑えてから投与するとよいでしょう。便意切迫感が強い 自己注射が苦手な患者さんによいでしょう。

他の分子標的薬からの変更の場合もどのお薬でも一度試してみる価値があります。スキリージの効果は基本的には12週目に判断しますが 全く効かない1次無効の場合は8週ぐらいで他の治療に変更します。12週で血便が消失した著効例には180mg皮下注で維持治療に移行します。症状は改善したがまだ少し残っている有効例には360mg皮下注で経過観察します。