2025/4/22 Skyrizi UC Internet Live Seminar
Why do we choose Skyrizi
佐賀大学 消化器内科教授 江崎 幹宏 先生が上記の演題で講演してくれました
潰瘍性大腸炎治療において ステロイド依存例 抵抗例の難治例に対する治療を英語でAdvanced Therapyと呼びます。潰瘍性大腸炎の従来の治療に難治な患者さんに使用される、新規作用機序を持つ薬剤による治療と定義されます。
最近は5-ASA 不耐の潰瘍性大腸炎患者や 患者さんの高齢化によりステロイド治療を試行しづらい方が増加しています。
潰瘍性大腸炎治療に使用できる抗IL23抗体はスキリージ トレムフィア オンボーの3種類があります。基礎医学のデータでは IL23に対する結合能はスキリージ>トレムフィア>オンボー>ステラーラです。クローン病や潰瘍性大腸炎の病態における重要な転写因子であるSTAT3の抑制効果は スキリージ>トレムフィア>ステラーラです。
スキリージによる潰瘍性大腸炎治療の大規模治験における日本人の成績を見てみると 12週の寛解率20% 有効率70% 組織学的内視鏡的改善率18%です。12週で改善に達していない患者さんに24週まで継続すると そのうちの50%が改善してきます。トータルで24週まで継続して投与すると85%の患者さんが改善します。
維持治療(1年後)における日本人の成績は360mgで維持すると寛解:50%、180mgで維持すると寛解:40%なので360mg維持治療の方が優れています。組織学的内視鏡的改善率も360mg維持の方が良い成績でした。中和抗体は出現しにくく、投与後1年で寛解に達成していれば以後2年間寛解を継続できます。1年目に有効だと2次無効がだんだんでてきます。AT多剤無効例にも有効性は高いです。抗TNFα抗体抵抗例にもステラーラと同じ程度に効果があります。副作用は過敏症 投与部位反応 360mgで維持すると肝機能障害などです。ネットワークメタアナリシスの成績では、AT治療未使用例に対してリンヴォックの次の2番手の好成績です。