2025/7/29オンボーWEB講演会
副作用の面からみた潰瘍性大腸炎におけるオンボ-の使い方
北海道における潰瘍性大腸炎患者さんに対するステラーラの実地臨床のデータでは8週後の有効率70% 寛解率60%、 1年後の有効率70% 寛解率65%ぐらいで2次無効が起こりにくいお薬です。1年後の継続率:84% 3年後の継続率70%です。副作用のため投与中止になる患者さんはほとんどいません。慢性持続型 多剤無効例(TNFα抗体+エンタイビオ)が無効例の特徴です。生理的状態ではIL23増加はTh17細胞を活性化させIL17, IL22の上昇により粘膜バリア機能の保持 増強に役立ちます。病的になるとIL23の持続上昇のためTh17細胞が催炎症性Th17細胞に変化し そのため炎症性サイトカイン ケモカインが増加します。
バイオ製剤 イムランは悪性腫瘍を有する患者さんに投与しても再発リスクは増加しません。ステラーラ エンタイビオは妊娠中に使用しても周産期の合併症や 赤ちゃんの健康に影響しません。特にステラーラは早産のリスクが減少します。
60歳以上の潰瘍性大腸炎患者さんに対するステロイド投与は若い患者さんより効きづらくなり副作用は増加します。
ヨーロッパの患者さんにアンケートをとると潰瘍性大腸炎治療の際 重視するものとして
投与方法としては経口薬を好み 次に間隔の長い皮下注製剤 長期の安全性 長期の有効性が挙げられています。オンボ-は副作用が少なく治験の成績では3年間の観察で中止になった副作用:3% 重篤な副作用:9%です。ネットワークメタアナリシスによる安全性の評価でも最も高い薬剤の1つです。オンボーは抗薬物抗体の産生率:24%と高値ですが有効性には影響はなく継続使用でだんだん消退してきます。実臨床の経験ではステラーラやJAK阻害薬の2次無効の潰瘍性大腸炎患者にも70%ぐらいで有効です。