2025/12/19 Ulcerative Colitis Web Seminar in 九州沖縄
潰瘍性大腸の新規バイオマーカー ~抗インテグリンαvβ6抗体同定~
京都大学 消化器内科 栞田 威 先生 講演
潰瘍性大腸炎の病態仮説では自己免疫機序による上皮バリア機能障害が細胞障害病態に関与しているとされています。
インテグリンαvβ6はフィブロネクチンなど細胞外マトリックスタンパク質のレセプターです。発現は上皮細胞に限局し 上皮バリア機能の保持に重要な役割を果たしています。インテグリンαvβ6は正常では発現していませんが炎症時に発現が増加して創傷治癒に役立っています。潰瘍性大腸炎さんの血液中には特異的に抗インテグリンαvβ6自己抗体を認め、クローン病の患者さんや 一般の方にはこの抗体は認められません。
抗インテグリンαvβ6抗体自己抗体が出現するとインテグリンαvβ6とフィブロネクチンの結合が阻害され その結果 腸管上皮と結合組織の間の基底膜が破壊され 腸管上皮の障害は起こります。抗インテグリンαvβ6抗体価と潰瘍性大腸炎の疾患活動性は相関しています。
今後 治療のアイデアとして ①白血球除去療法に準じて 末梢血中に存在する抗インテグリンαvβ6自己抗体を体外カラム中で除去する ②抗インテグリンαvβ6自己抗体を産生する免疫細胞を除去する ②の治療法が確立できれば 潰瘍性大腸炎の治癒に結びつくかもしれません。